なぜ、今、日本でDXが議論されるのか


提供: ソフトウェあ・マネジメント研究会

著者: 大場 充

更新: 2021年6月11日

目的とねらい
19世紀末から20世紀までの日本社会は、世界で国民国家が成立し、資本主義が確立され、国内での混乱が続く中、富国強兵政策を採り、西洋列強諸国に遅れを取りながらも、著しい経済成長を成し遂げた。しかし、21世紀に入って、世界は経済を中心にグローバル化を急激に推進し、市場における自由な競争を原理原則とする新自由主義が台頭した。その結果、特に米国などの先進諸国では、国民の間に大きな経済格差が生まれ、社会の2極分化が進み始めている。そのような環境の中で、弊害が明らかになった「自由な市場における競争を原則とした資本主義」を見直し、新しい資本主義を構築しようとする議論が、西洋諸国の中に生まれ始めている。今、日本でよく議論になっているDXも、その大きな議論の波に洗われた世界の現象の一つと言える。ここでは、そのDXに関する議論の根底にある問題意識を分析し、我々はその動きをどう捉え、どう行動すべきかを考える。
目次

この記事の構成は、以下の通りです。

第1章 はじめに
議論の背景と目的(2021年5月21日更新)

第2章 社会的背景
日本が置かれている状況の分析
(2021年6月11日更新)

第3章 なぜ、日本でDXが議論になるのか
米国社会との比較
(2021年6月6日更新)

第4章 その裏に隠れている問題
何が社会的な課題か (2021年5月30日更新)

第5章 世界で起きていることとの関係
世界が直面している課題と議論されている対応策 (2021年5月31日更新)

第6章 おわりに
人々が幸福になるために情報技術をどう利用すべきか (2021年6月3日更新)