ジャンヌ・ダルクは、なぜ火あぶりにされたのか 〜 注3

公開: 2022年5月21日

更新: 2022年5月21日

注3. 魔女

中世のキリスト教徒にとって、悪魔(サタン)は実在する存在で、魔女や狼男は悪魔と契約を結び、永遠の生命を与えられた存在で、人々に災いをもたらすと信じられていました。そのため、宗教裁判にかけられ、魔女や狼男とされた人は、火あぶりの刑に処されたり、湖に投げ込まれたりしました。狼男の場合には、鉄砲ができると、神父が首にかけている銀の十字架を溶かして作った弾丸で撃ち殺されました。

ジャンヌも、一部の人々からは、「魔女ではないか」と疑われました。それは、彼女が『神の声を聴いた』と証言したからです。これは、社会を惑わす言葉と考えられたからです。また、後になって、ジャンヌが男性の兵士と同じように、鎧を身につけていたことも、彼女が魔女であることを疑わさせる理由になりました。フランス国王のシャルル7世は、「ジャンヌが魔女ではない」ことを証明しなければ、彼女をイングランド軍との戦いで、戦わせることはできなかったのです。

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