公開: 2022年4月2日
更新: 2022年4月2日
日本政府が発行した国債の量が増えると、将来、日本政府が返さなければならなくなる借入金が増える。このことは、国債の金利が上昇することを意味する。リスクを考えると、高い利子を付けなければ、売れなくなるからである。国債の金利が上昇すると、国債を発行した政府が、国債を買い入れた人々に支払わなければならない償還時の金額も増える。国家に償還時の額を支払うだけの資金がなくなると、その国の通貨は、他国の通貨と比較すると価値が低くなる。
第2次世界大戦の前に、1ドルが2円であった日本円の為替レートは、第2次世界大戦後、通貨切り下げの影響もあって、1ドルが360円にまで、下がった。これに似たような事態が、将来、日本に発生するかもしれない。
日本の通貨である円の価値は、各国の中央銀行が設定する長期金利によっても変化する。長期金利が低い国の通貨は、長期金利の高い国の通貨に比べて、為替レートが低くなる。これは、世界中のお金が、金利の高い国に集まりやすいためである。2022年の3月頃から、日本の円が、米国のドルに比べて、1ドル110円台から、1ドル120円台に低下した。これは、米国の中央銀行であるFRBが、インフレーションを抑制するため、長期金利を高くしようとしているからである。