インフレーションと経済成長 〜 注8

公開: 2022年4月2日

更新: 2022年4月17日

注8. 国債と日本政府の負債

日本国政府が発行する国債は、市場などに売り出され、国債を購入した個人や企業などの資産として保有される。国債を購入する機関が日本銀行の場合、日本銀行が買い取った国債も、日本銀行の資産になる。現在、日本銀行の資産は、買い取った国債の量が増加しているため、増大している。日本政府から見ると、国債を発行して得たお金は、負債(借金)になる。つまり日本政府の借金は、膨れ上がり、全体で日本のGDPの約2年分になっている。そのような国家は、先進諸国には、日本以外、存在しない。

これを家計で言うと、1年間の収入と支出を足した金額の2倍の借金を抱えていることになる。企業の会計で言えば、1年間の売り上げと支払の合計額の2倍の借入金があることになる。個人や私企業の経営と、国家の財政を同じように議論することはできないが、異常な状態にあることには変わりない。ヨーロッバ諸国の場合、国債などで借り入れた資金の総量は、GDPの30パーセント以下の水準に保つことが必要だとされている。日本の場合、それが200パーセントの水準になっている。日本国の財政破たんが心配される。

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