公開: 2022年4月11日
更新: 2022年4月11日
バブル経済がピークに達していた1990年頃、ベビーブーム世代の子供達(第2次ベビーブーム世代)は、高等学校を卒業する時期であった。学歴志向が高かった日本社会では、高等学校を卒業した若者の約半数は、大学などの高等教育機関で高等教育を受ける進路を選択した。それから4年間が経過した1995年頃、日本社会の経済状況は著しく変わっていた。バブル経済の崩壊と、ドル安円高で、経営の刷新を迫られた日本企業では、採用を減らし、人件費を圧縮する経営戦略を取り始めていた。このため、大学を卒業した第2次べビーブーム世代には、供給過剰による就職難が迫っていた。
大学学部卒業生の就職率は、1995年頃から少しずつ低下し始め、2000年頃に最低水準に至った。いわゆる「就職氷河期」の到来であった。国内市場の拡大が望めない状況で、企業は生産の拡大を進めることには、経営リスクが高かったため、新入社員の採用を減らす方法を採ったのである。これは、短期的には労働コストを低減させるが、長期的には企業内の労働人口構成を高齢化させ、生産性を低下させる原因になる。実際に、それから25年が経過した今、日本企業は労働生産性の低下に悩まされている。