公開: 2022年4月10日
更新: 2022年4月19日
1990年頃の米国経済は、労働人口の高齢化、貿易収支の膨大な累積赤字、国家債務による財政難、企業業績の悪化による税収不足、失業率の高止まりと、国の経済全体が縮小し、危機的な状況に陥っていた。1992年11月の大統領選挙に挑んだ民主党のクリントン候補は、「チェンジ」をスローガンとして、米国経済の立て直しを訴え、大統領選挙を戦った。副大統領候補は、情報ハイウェイ構想を立案したアル・ゴア氏であった。
具体的に、クリントン氏らが考えていた政策は、高すぎるドル通貨のドル安導入政策、インターネットを活用する新ビジネスの育成、それを支援するための政府や大企業における業務改革などであった。業務改革では、インターネットの活用を阻害する可能性のある古い法律を見直し、インターネットを活用したビジネスをやり易くする法改正の実施であった。実際に、1993年からは、インターネットバンキングか始まり、1994年からは、アマゾンによるインターネット通販が始まった。
クリントン政権は、2期目の終り頃、国家経済の膨大な赤字を黒字化させ、IT革命によって経済の立て直しに成功した。その間、日本は阪神淡路の大地震、オーム事件、山一證券の経営破たんなど、社会的な大事件がたて続けに起き、長期低落傾向に歯止めがかからなくなっていた。