公開: 2022年4月4日
更新: 2022年4月4日
企業が生産に必要な労働力の購入に必要な人件費は、労働力に要求されている質の高さと、必要とされている労働力の量によって決まる。労働市場に要求されている質の高さを満足する労働力が、大量に供給される状況では、低い労働コストで必要な量の労働力を集めることができる。その低い労働コストで生産をできれば、結果として生産される製品の生産原価は、安くなる。
第2次世界大戦直後の日本社会は、日本政府が戦争をするために整備した義務教育を終えた、世界的に見れば質の高い労働力が豊富だった。労働力の供給が十分な場合、供給価格は下落する。つまり、日本社会では、良い労働力を、安いコストで調達できたのである。これが、米国の市場で質の高い日本製の製品を安く売っても、日本の企業に多額の利益をもたらし、日本経済を拡大することを可能としたのである。