インフレーションと経済成長 〜 注14

公開: 2022年4月3日

更新: 2022年4月18日

注14. 戦争需要

戦争が始まると、戦争を継続するために、様々な物品の増産が必要になる。武器や弾薬はもちろんのこと、兵士が着るための衣服や靴、兵士が食べる食料品、軍用車などの車両を動かす燃料、自動車用の部品などである。これらの物品は、戦争状態の継続によって破壊されたり、消耗されるため、補充が必要不可欠となる。この需要の高まりが、物品の価格を押し上げるため、生産者側から見ると、景気が良くなり、経済は拡大する。

1950年代に起きた朝鮮戦争は、日本の近くで戦争が戦われ、日本に駐留していた米国軍が参戦していたため、日本の産業は、米軍が消費する物品を調達する市場となり、その物品を生産し、供給する市場となった。この場合、それらの物品を購入するのが、米国政府であり、米国政府から支払いが行われた。この日本外からの大量の資金の流入によって、経済が拡大し、景気が良くなったのである。「朝鮮戦争景気」とか「朝鮮戦争特需」と呼ばれた。

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