教育、学び、そして学校 〜 注36

公開: 2024年3月8日

更新: 2024年3月8日

注36. 教育制度の機能不全

ここで言う「教育制度」とは、日本社会における教育に関わる法律と、それを財政的に支える税制の制度、さらに、具体的な教育を実施するために国から地方公共団体(都道府県や市町村など)へ配布される交付金などに加えて、地方公共団体で教育業務を実施するための人材の確保・育成に関する諸制度など、教育行政全体を意味します。

そして、「機能不全」とは、そのような教育に関わって作り上げられている社会の様々な制度が、それら一つ一つの制度が、当初に決められていた役割を、その意図された通りに働かなくなっていることを意味します。教育制度は、一つの社会システムとして作り上げられているので、その一部に機能不全が起これば、複雑な機械と同じように、当初意図された働き通りの役目は果たせなくなります。

これは、エンジン、動力伝達装置、ブレーキ装置、燃料供給装置、運転装置などから構成される自動車で、エンジンやブレーキが壊れただけで、自動車としては、その役割を果たせなくなることと同じです。日本社会の教育制度では、その教育方法の柱である、「集合教育」方式が正常に働かなくなれば、破綻することを意味します。現在の日本社会の義務教育では、制度の一部に機能不全が生じているのではなく、様々な部分に問題が発生しています。

参考になる資料