1872年、明治政府は、近代日本の社会を建設するため、全ての日本国民に要求される基本的な知識を教えるため、「学制」を定め、小学校教育の普及を始めました。この「学生」は、当時、フランスで実施されていた初等教育の制度を参考にして、全ての生徒に8年間の就学を義務化させるものでした。

この「学制」は、当時の日本社会の実情を考慮せずに定められたため、日本社会に生きる人々には、受け入れ難い制度でした。明治維新の時代、国民の生活水準は低く、学齢期の児童を8年間も小学校に通学させると、農家の労働力が不足し、経済が低迷することになります。そのようなことから、庶民は、子供たちを小学校に通学させませんでした。

それだけでなく、当時の明治政府の財政はひっ迫しており、各地方で、小学校教育の実施に必要な小学校の建設費を捻出できませんでした。さらに、小学校での教育実施には、「小学校教員」を育成し、各小学校に配置しなければなりません。そのような人材を選抜し、配置する見通しも立ちませんでした。このような理由から、学制は、制定から5年ほどで、変更が必要になりました。