知の自由塾

提供: 有限会社 工房 知の匠

文責: 技術顧問 大場 充

更新: 2025年2月22日

お知らせ

今日、福島県いわき市にある、古民家ゲストハウスを運営している、新妻唯昭(tada)さんから、「余寒おみまい」のはがきを頂きました。彼は、いわき市の北端に近い海沿いの集落にある江戸時代からの農家を改装して、囲炉裏(いろり)のある古民家を民宿のような形態で、宿泊施設として運営している方です。この古民家には、小学生などが団体で、校外学習のために宿泊し、農作業の体験をしたりしています。



そのtadaさんが、2025年の3月に、NPO法人の「全国対象のみんなの居場所・フリースクール」を設立する運びになったとの、ご報告を受けました。このホームページでも、教育、学び、そして学校の記事で議論しましたが、最近の日本社会では、小中、そして高校生、さらには、大学生生活や社会人になってから、「ひきこもり」になる人々も、増加しているようです。

私自身も、大学で教員として働いていた時代に、就職試験に失敗して、卒業を目の前にして「ひきこもり」になった学生、入学後に不登校になって、留年を繰り返し、卒業までに8年を費やした学生、直接、指導をした学生ではありませんでしたが、有名進学校へ入学したものの、挫折をして中退をし、コンビニなどのアルバイトを経験した後、大学検定試験を受け、私が勤務していた大学へ入学してきた学生が、大学入学後、3年で通学できなくなり、退学届けをもって私の研究室に来た例もありました。

人生には、人それぞれに、山や谷の時期が訪れます。最初に述べた、私が指導していた2名の学生は、何とか大学を卒業し、現在は、IT系の仕事に従事し、長年、働いています。最後の学生は、少しの期間、私の研究室の手伝いで働きましたが、結局、大学を退学し、別の進路を歩むことになりました。「不登校」や「引きこもり」には、本人の問題だけでなく、家庭環境や、社会の時代背景など、複雑な問題が絡み合っています。

その問題の解決は、簡単ではありません。ただ、問題の解決は不可能でも、辛抱強く、本人とその家族が、問題に立ち向かっていれば、いつかは「引きこもり」状態から抜け出すことはできるでしょう。本人や周囲の人々が、「諦め」、引きこもり状態の継続を受けれたとき、「引きこもり」状態から抜け出すことは、できなくなります。新妻さんたちの活動が、そのような「引きこもり」問題の解決に、少しでも役立つようになることを願っています。

2025年2月17日
大場 充

ごあいさつ



2025年、今年こそ、世界に平和をもたらそう。

2025年になって、早くも1か月を過ぎました。これから、卒業や進級を控えて、皆さんも忙しくなるでしょう。体調を崩さないように注意してください。

図案は、これまでと同じように、アイヌ民族に伝わっている古典的な図形を組合わせ、昇る朝日の中心に、今年の干支(えと)である「巳」(み)を中心に、マンダラ風にデザイン化したものです。左右に配置されているのは、冬の季節を代表する、雪だるまとスキー板をデザイン化したものです。一日も早く早く、世界全体に平和な日々をもたらすよう、世界中の人々が力を合わせることを願っています。

約3年に渡って続いているロシアのウクライナへの侵攻と、1年以上に渡っている中東でのイスラエルとパレスチナの戦闘、さらにレバノンへと拡大しつつあるイスラエルの武力攻撃、長引く国内紛争が激化しているミャンマー、そして緊張が高まっている極東の中国と台湾、政治情勢が緊迫しつつある韓国と、軍備の増強を進める北朝鮮、さらにシリアの混乱など、世界では、絶え間なく不安定な情勢が続いています。世界に平和がもたらされ、皆さんと世界中の子供達、若者達が、安心して楽しく、有意義な毎日を過ごすことができる日が来ることを、心から願っています。

2023年10月、中東のイスラエルにあるガザ地区で、イスラエル軍と、ガザに住んでいるパレスチナ人の武装勢力の1つであるハマスの戦闘員との間で、大規模な戦闘が始まりました。両者の戦いには、イスラム系の周辺国のレバノンの武装勢力も参加して、複雑な宗教対立になりつつあります。19世紀から歴史的に不安定な中東地域における民族間・宗教間の対立から、新たな戦争に拡大することも危惧(きぐ)されています。特に、ガザのパレスチナ市民が、イスラエル軍の爆撃や砲撃の犠牲になっています。武装した軍と軍の戦闘は止められなくても、市民の犠牲は、人道的視点から、止めなければなりません。

2024年10月、ノルウェーのノーベル平和賞委員会は、2024年のノーベル平和賞について、日本の被爆者団体協議会へ授与することを発表しました。かつて、広島に住み、インターネット上の「原爆WWW博物館」(英語版)の開発と掲載に関与した者として、被爆者団体協議会の皆様に対して、心からの敬意と、称賛の意を表します。日本政府は、今日の時点では、国連で採択された核廃止条約締結の会議に参加していませんが、日本が被爆国としてその会議で中心的な役割を担い、真の世界平和実現に、被爆者団体協議会の皆さんが積極的に関与することを願います。

2025年2月1日

目的

「知の自由塾」は、主として小学校高学年から、中学校3年までの生徒を対象として、これからの世界や日本社会の発展を担う人材を育てることを目的として、開設された私的なホームページです。学校で学ぶ科目とは別に、これからの世界のリーダーに求められる「知的な力」を養うための基礎となる、「ものごとの見方、考え方」を、次世代を担う皆さんが学ぶための、自由参加の教室です。

ねらい
ここでは、私が、1974年から1994年までの20年間、米国のコンピュータ会社である、IBM社における実務経験を通して、特にその最後の5年間に米国の社会で学んだ、日米での、ものの考え方の違いや、人間の生き方、そして人々の育て方など、様々なことについて知り得たことを語り、皆さんと議論したいと思います。
内容

このホームページに掲載されている記事は、以下の通りです。

お礼の言葉
本ホームページは、最初、フェースブック上に公開された一連の記事でした。しかし、検索エンジンからの検索が難しくなったことから、通常のホームページの形式で公開することになりました。ここに、公開に当たってサーバを提供して頂いた有限会社「工房 知の匠」の佐々木社長のご厚意に感謝します。

2019年7月
有限会社 知の匠 技術顧問 大場 充
(広島市立大学 名誉教授)

塾長の歩み
塾長の私は、東京の青山学院大学大学院の修士課程を修了して20年間、外資系のコンピュータ会社で働き、その最後の数年間は、米国で大規模ソフトウェア開発のための組織のあり方について研究しました。帰国後、1994年に広島市が設立した新しい大学の情報科学部、情報数理学科の教授に就任して、日本人の学生は元より、社会人学生(日本人)、韓国人、中国人、ドイツ人などの学生の指導に当たるとともに、広島のソフトウェア産業の発展と日本のソフトウェア産業の国際競争力向上のために、いくつかのプロジェクトを実施し、2014年3月に同大学を定年退職しました。退職後も、2018年まで、名誉教授として情報科学部の3年生を主たる対象とした「技術者倫理」の講義を担当しました。
塾長の最近の仕事
特に、私が大学教員として働いた最後の4年間には、経済産業省が当時推進していたグローバルに活躍できるソフトウェア系人材の育成のため、それまでの日本の教育では教えることがなかった「プロジェクトマネジメント」の基礎を学生に理解させる新科目の導入と、広島県内の大学や企業との連携による一連の講義の実施を行いました。特に、広島県からの財政的な支援を受け、NTTデータ中国からの協力も得て、10名程度の学生をインドのNTTデータ関連会社に送って、インターンシップを経験させるプロジェクトに取組みました。最初の年に、このインターンシップに参加した学生達は、既に社会に出て、IT系の企業で活躍しています。
塾長が最近出版した本と発表した論文

著書

  • ソフトウェア技術者: プロの精神と職業倫理(日科技連出版(2014年))
  • 組込みソフトウェア工学ハンドブック(日科技連出版(2014年))


論文

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